戦没者特定に次世代DNA技術

戦没者特定に次世代DNA技術

ファム・ティ・タイン・チャー副首相は、次世代DNA技術の実用化を加速し、数十年を経た戦没者の身元特定につながる機会を広げるよう求めました。

会合で発言するファム・ティ・タイン・チャー副首相
ファム・ティ・タイン・チャー副首相が会合で発言しています。

7月17日午後、党中央委員会書記であり、戦没者の捜索、収容、遺骨の身元特定に関する国家指導委員会委員長を務めるファム・ティ・タイン・チャー副首相は、政府本部で複数の省庁・機関と会合を行い、戦没者遺骨の身元特定の効果を高めるためのDNA鑑定技術について協議しました。

ベトナムの遺骨の特性に適した新技術

会合で報告したベトナム科学技術アカデミーのチュ・ホアン・ハー副院長によると、同アカデミーは、米国政府の支援と国際行方不明者委員会(ICMP)の技術協力を受けて実施される2024~2026年のODA事業「開発協力、技術移転、設備・化学薬品・消耗品の受け入れを通じた戦時中の遺骨鑑定能力の向上」の中核機関です。事業期間は2027年3月まで延長されています。

この中で生物学研究所は、次世代シーケンシング(NGS)と一塩基多型(SNP)マーカーの解析を組み合わせた次世代DNA鑑定技術の研究開発を主導するよう任されています。

同アカデミーによると、この技術は50~70塩基対という非常に短いDNA断片のみを解析すればよいため、著しく分解した戦没者遺骨の試料に特に適しています。このシステムは核ゲノム内の5,422個のSNPからなるFORCEマーカーセットを使用し、個人識別、祖先の起源、身体的特徴、血縁関係の特定を可能にします。

これまでに、事業は多くの重要な成果を上げています。研究者らは、ベトナムで著しく分解した遺骨試料に特化した2種類のDNA抽出手順の最適化に成功し、核DNAの回収率を最大80%まで高めました。

同時に、次世代シーケンシングシステムを構築して試験運用し、複数の試料を同時に解析して、父系と母系の双方からの身元分析に用いる5,000個以上のSNPマーカーを取得できるようになりました。データ解析システムと照合アルゴリズムも構築され、最大4世代離れた血縁関係を特定できます。

2025年には、NGS-SNP技術がカオバン省のチャーリン戦没者墓地で実際に適用されました。採取可能な遺骨試料58点のうち、54点から遺族との照合に十分なSNPデータが得られ、その割合は93%に達しました。

得られたデータを基に、研究者らは戦没者14家族の親族から採取した生体試料と照合し、5柱の戦没者遺骨の身元を特定しました。

2026年には、DNA鑑定技術の工程がアンザン省のゾンリエン戦没者墓地で、より大規模に引き続き実施されています。これは、技術を広範囲に導入した場合の有効性を確認する重要な試験評価と位置付けられています。

会合で報告する科学技術アカデミーの担当者
科学技術アカデミーの担当者が会合で報告しています。

戦没者の身元特定が最大かつ最終的な目標

会合のまとめで、ファム・ティ・タイン・チャー副首相は、戦没者の捜索と身元特定が、現在ほど党、国家、国民から大きな関心と期待を寄せられたことはないと強調しました。

副首相によると、戦没者の捜索と遺骨の収容は政治的・人道的に深い意義を持つ任務ですが、戦没者の身元を特定することこそ最大かつ最終的な目標です。このため、関係機関・部隊は最大限の責任感を持って、速やかに任務を実施する必要があります。

副首相は、新技術の研究と試験に取り組んできたベトナム科学技術アカデミーの努力を高く評価し、NGSとSNPマーカー解析を組み合わせた技術が、戦没者遺骨の身元特定において優れた性能を持ち、現代的でベトナムの実情に適した技術であると確認するための十分な根拠が得られたとの見解を示しました。

副首相はまた、軍法医学研究所、刑事科学研究所、国立法医学研究所など、戦没者遺骨のDNA鑑定を行う機関と関係部隊が、長年にわたり粘り強くデータを収集し、戦没者の親族から生体試料を採取してきた貢献を評価しました。

関係機関に次世代DNA鑑定技術の活用を求める副首相
副首相が関係機関に次世代DNA鑑定技術の活用を求めています。

これまでの成果を踏まえ、副首相は各機関に対し、戦没者遺骨の身元特定において次世代DNA鑑定技術を早期に導入し、活用を推進するよう求めました。副首相はまた、各機関で戦没者遺骨のDNA鑑定を行うための技術システム、設備、機械、研究室に投資する資源調達案についても意見を示しました。

技術インフラへの投資と併せて、副首相は、戦没者墓地での実施に即した研修、訓練、技術移転を速やかに行い、担当職員が早期に新技術を習得できるよう求めました。ベトナム科学技術アカデミーには、任務に参加する各機関の職員向け研修・訓練計画の策定が任されました。

副首相によると、ベトナムの実情では、戦没者遺骨の大半が著しく分解し、中にはDNA試料を採取できる骨の痕跡さえ残っていない例もあるため、多くの課題があります。したがって、国内の条件に適した技術の研究を続け、習得し、完成度を高めることが極めて重要です。

新技術の導入と併せて、現在使用されているミトコンドリアDNA鑑定技術も並行して継続し、戦没者遺骨の身元特定の効果を高めます。

副首相はさらに、各省庁・機関に対し、戦没者とその親族に関する国家データベースの構築・整備を特に重視するよう求めました。公安省の報告によると、DNA照合用の生体試料を採取する親族が特定されていない戦没者が現在も約14万5,000人おり、身元特定作業の大きな課題となっています。

このため、DNA鑑定技術の発展と併せ、関係機関は戦没者とその親族に関するデータベースを継続的に更新・整備し、現在および将来の照合と身元特定を効果的に行うための基盤を構築する必要があります。

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