保健省は、出生前および新生児においてスクリーニング、診断、治療が必要な先天性疾患リストを規定する通達案について、国民からの意見公募を行っています。
出生前および新生児スクリーニングの推奨
保健省によると、出生前・新生児スクリーニングプログラムは2007年から2013年にかけて試行され、現在では全国34の省・市にサービスネットワークが拡大しています。
2021年8月11日、保健省は基本サービスパッケージに属する先天性疾患のリスト(決定第3845/QĐ-BYT号)を発出しました。これには出生前スクリーニング4疾患(ダウン症、エドワーズ症候群、パトー症候群、サラセミア)および新生児スクリーニング5疾患(先天性甲状腺機能低下症、G6PD欠損症、先天性副腎皮質過形成、先天性難聴、先天性心疾患)が含まれています。
しかし、近年の技術革新や医療機器の近代化により、先天性疾患の発見能力はより広範かつ正確になっています。スクリーニング対象が限定されたままだと、介入の「黄金時間(適切な時期)」を逃し、先天性疾患の割合を最小限に抑えることが困難になります。これは医療・社会的な負担を増大させるだけでなく、先進的な医療技術の可能性を十分に活用できていないことを意味します。
そのため、推奨される先天性疾患を具体的かつ詳細に規定する新通達の策定は、医療施設によるカウンセリングや検査の実施を容易にするとともに、各地方が経済状況に応じて住民への支援拡大を選択する際の法的根拠として必要不可欠です。
疾患リスト策定の原則
草案では、リストに含める疾患の選定基準として以下の原則を定めています。
普遍性と疾患負担
コミュニティ内での発症率や変異遺伝子の保有率が高い、または子供の健康・身体・知能に深刻な影響を及ぼす疾患であること。
子供の高い死亡原因となる、あるいは生涯にわたる障害を引き起こし、民族の質に影響を与える疾患であること。
スクリーニングと診断の可能性
安全で実施しやすく、当局に認可された適切なスクリーニング手法が存在すること。
スクリーニング結果に基づき、病状を確定させるための診断技術が存在すること。
実現可能性と経済・社会的効率
ベトナムの医療システムの設備や人材で対応可能であること。
スクリーニングや治療の費用が、住民の支払能力や国家予算、医療保険に適した水準であること。
早期発見・介入による利益が、重症化後のケア費用を大幅に上回ること。
出生前スクリーニング等が必要な69の先天性疾患
草案によると、出生前に対応すべき疾患リスト(付録I)には、以下の3グループ計69疾患が含まれています。
グループI(常規スクリーニングが必要な染色体・遺伝子疾患): ダウン症(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)、ターナー症候群(45,X)など。
グループII(常規スクリーニング・診断が必要な胎児構造異常): 無頭蓋症/無脳症、脳脱、二分脊椎、先天性水頭症、全前脳胞症、アーノルド・キアリ奇形など。
グループIII(本人や家族の既往歴がある場合に必要な遺伝性疾患): 脊髄性筋萎縮症、血友病A、デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、脆弱X症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎など。
新生児スクリーニング等が必要な21の先天性疾患
草案の付録IIには、以下の21疾患が明記されています。
先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎皮質過形成、G6PD欠損症、ガラクトース血症、ビオチニダーゼ欠損症、フェニルケトン尿症(PKU)、サラセミアなど。