フエ中央病院で肝臓移植を受けた中で最年少となる15ヶ月の乳児が、元気に退院しました。この移植の成功は、ベトナムにおける小児臓器移植分野の専門技術における進歩を示すものです。
最年少肝臓移植患者、困難を乗り越え回復
6月6日、フエ中央病院で、同病院で肝臓移植を受けた中で最年少患者である生後15ヶ月のV.Q.H.ちゃんが、無事に退院しました。
クアンビン省バードン町出身のHちゃんは、稀な疾患であり生命を脅かす先天性胆道閉鎖症を患っていました。生後3ヶ月で、小腸を肝臓に直接接続して胆道を再建する葛西手術を受けましたが、期待される効果が得られず、肝臓移植が必要と診断されました。
2025年3月19日、国立臓器移植調整センターの調整により、ホーチミン市のトンニャット病院で脳死ドナーから提供された肝臓が、タイムリーにフエへ搬送されました。移植された肝臓は左葉の一部で、わずか2mmの胆管が2本という技術的に大きな課題がありました。さらに、肝臓を分割する過程で移植片の左肝動脈が損傷し、移植手術はさらに複雑なものとなりました。
2歳未満の乳児への肝臓移植は極めて困難な技術であり、多くの専門分野間の緊密な連携が求められます。血管吻合手術に約4時間、胆管吻合に30分を要し、移植は成功裏に実施されました。最新の蘇生法により、肝機能は安定して動作しました。
複数医療機関の連携と今後の展望
術後、Hちゃんは重度の肺炎、2度の緊急手術など、多くの危険な合併症を経験し、一時は危篤状態に陥りました。しかし、医療チームは容態のすべての変化を注意深く観察し、専門分野間で連携し、最新の医療機器を最大限に活用しました。その結果、2ヶ月以上の集中的な治療を経て、Hちゃんは劇的に回復し、退院することができました。
フエ中央病院のファム・ニュー・ヒエップ院長(教授、博士)は、「臓器移植はフエ中央病院の最先端技術です。2,400件以上の臓器移植実績を持つ当院は、現在、国内最大級のセンターの一つであり、心臓、肝臓、腎臓の3つの臓器移植を成功させています。その中には、成功率100%の全国を横断する心臓移植も多数含まれています。今回のケースは、小児への肝臓移植としては2例目であり、当院で最も若い患者への移植成功例であり、ベトナムにおける小児臓器移植分野の発展において重要な節目となります」と述べました。
今回の移植の成功は、単なる医学的快挙にとどまらず、国立臓器移植調整センター、トンニャット病院、陸軍中央病院108、ホーチミン市およびフエ市の交通警察、タンソンニャット空港、フーバイ空港など、多くの機関間の人道的な連携の証でもあります。
この感動的な蘇生の旅から、フエ中央病院は地域社会に対し、「与えることは永遠に続く」という精神を、組織や臓器の提供という行動を通じて広めるよう呼びかけています。なぜなら、提供される一つ一つの贈り物が、新たな生命の機会であり、他の人々に未来を切り開く光となるからです。