10月10日午後、ヴォー・ヴァン・フン農業・環境副大臣は、株式会社コロワイドMDとN&V Bridge Co., Ltd.の投資家連合との表敬訪問を受けました。
ベトナムでのバリューチェーン開発を目指す
会談では、ベトナムにおける農水産物の生産・加工、および環境に優しい農業開発における協力の方向性が議論されました。
コロワイドMDの磯野武雄社長は、日本における食料サプライチェーンにおける同社のビジネスモデルを紹介するとともに、ベトナムとの間で農業・環境分野における5つの協力提案を行いました。
1. 米の生産・加工への投資と輸入
磯野社長は、ベトナムの米生産ポテンシャルを高く評価し、日本での加工・消費のためのベトナム米輸入への意欲を示しました。
背景: 近年の気候変動により日本の米生産量が大幅に減少し、需給バランスが崩れている。
提案: ベトナム国内での米の生産・加工に投資し、日本市場へ輸出したい。
2. 食品加工の現地化
日本企業の大半は原材料を輸入してから国内で加工していますが、コロワイドはコスト削減と現地での付加価値向上のため、原材料の供給国での加工に軸足を移しています。
提案: 食料資源が豊富で多様なベトナムに多くの加工工場を建設し、日本およびグローバル市場に供給することを目指す。
3. 水産物の現地加工・輸出拡大
コロワイドは日本の大手寿司チェーン店の主要パートナーであり、ベトナムはエビの主要な供給源です。
提案: ベトナムのパートナーとの協力関係を拡大し、水産物の現地での加工・梱包を行い、日本市場およびグループの国際支社へ輸出したい。
担当者のコメント: コロワイドMDの星野周一上級マネージャーは、メコンデルタ地域での水産物調達を担当しており、「今後は原材料の注文だけでなく、加工済みエビ製品などの完成品を日本に輸出するため、ベトナムでの加工に投資する」と述べました。
4. 農業・環境協力と生産性向上
収穫量増加と環境保護を目指す農業・環境分野での協力を提案。
経験の共有: 稲わら、もみ殻などの農業副産物をエネルギー生産、土壌改良、CO2排出量削減に活用する経験を共有しました。
ベトナムでの適用: この技術は日本の多くの工場で成功しており、ベトナムを含む一部の国で試験的に適用されています。
具体的な効果: 磯野社長は、「フート省での玉ねぎの収穫量は年間約15トン/ヘクタールだが、日本では60トンに達する。この違いは主に副産物の再利用による土壌改良に起因する。このモデルを適用すれば、ベトナムの農産物の生産性と品質は大幅に向上すると確信している」と述べました。
5. 国内での食品加工・供給チェーンの拡大
コロワイドは2011年からベトナムでレストランチェーンを展開しています。今後は、食品加工・供給にも事業を拡大し、国内のレストラン、病院、学校、工業団地などに提供するとともに、国際市場にも輸出することを目指します。
ベトナム側からの評価と要請
ヴォー・ヴァン・フン副大臣は、コロワイドMDとN&V Bridgeの協力への意向を高く評価し、ベトナムと日本が2023年11月に「アジア及び世界の平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされたことに言及し、農業・環境分野での二国間投資を拡大する好機であると強調しました。
協力の適合性: 副大臣は、コロワイドMDからの提案内容がベトナムの能力と完全に一致していると評価しました。
市場の魅力: ベトナムは1億人以上の人口を抱え、東南アジア(6.5億人以上)や中国(14億人)へのアクセスを持つ開かれた経済であり、世界中のほとんどの主要市場と17の自由貿易協定を締結しているという利点を強調しました。
具体的な要請: ヴォー・ヴァン・フン副大臣は、コロワイドMDに対し、輸入予定の米と玉ねぎの具体的な数量、および今後、農村開発・環境省に期待する具体的な支援ニーズを提出するよう求めました。
省の支援: 農業・環境省は、ハイテク農業政策、土地、加工工場建設に関する情報を提供し、ハイフォンやクアンニンなどの沿岸地方と協力して、物流と輸出を円滑にする意向を示しました。また、両国のCO2排出量削減目標実現に貢献するため、農業廃棄物処理、副産物リサイクル、循環経済モデルの適用に関する助言も行うとしています。
会談の終わりに、コロワイドMDとN&V Bridgeの代表は、具体的な協力提案書を近く農業・環境省に提出すると述べました。