日越関係の深化とJBICへの期待
29日午前、政府庁舎にて、ファム・ミン・チン首相は、ベトナムを訪問中の国際協力銀行(JBIC)の室町 茂 執行役員兼総裁および関係者と会談しました。会談には在ベトナム日本国大使の伊東 直樹氏も同席しました。
室町 茂JBIC総裁との再会を喜び、ファム・ミン・チン首相は、会談のたびに関係協力がより進展し、効率的になっていると確信していると述べました。首相は、これまでの日本の歴代政府高官との会談を振り返り、ベトナムと日本の関係は、真摯で信頼できる効率的な感情を基盤として、ますます良好に発展していると強調しました。
特に、ベトナムと日本の包括的戦略的パートナーシップは、昇格から2年近くで力強く効率的に発展し、現在最も良好な段階にあります。首相は、ベトナムは長年にわたる日本側の協力、共有、支援に、真摯で信頼できる感情、そして効率性の精神をもって常に感謝し、大切にしていると明確に述べました。
ファム・ミン・チン首相は、JBICが政策対話に参加し、インフラ、重要エネルギープロジェクトへの日本企業の投資を促進するための多くの融資を提供し、また、ベトナムにおける日本の中小企業の投資プロジェクトを支援するための融資を提供してきたこと、そして最近では、ロ・Bガス田開発プロジェクトに8億ドル以上の融資を提供し、このプロジェクトの再始動に貢献したことを高く評価し、感謝の意を表しました。
首相は、JBICが引き続きベトナムのグリーン転換分野での支援に協力し、特に、2025年4月の石破首相のベトナム公式訪問時に発表されたAZECの枠組みにおいて、200億ドル以上の規模となるベトナムにおける15のグリーン転換プロジェクトリストを実施する日本企業への融資支援を早期に展開するよう要請しました。
ベトナムの開発状況とJBICへの協力要請
ベトナムの状況と開発の方向性、特に組織機構の「革命」、2段階地方行政機構の組織化、「4つの主要な柱」の実施、制度上の障害の解消、煩雑な手続きの撤廃、民間経済の発展促進、今年の8%の成長目標達成、そしてその後の数年間での2桁成長の目標達成、さらに2030年と2045年までの「2つの100目標」達成のための3つの戦略的ブレイクスルーの実施について、首相は、ベトナムが高速道路、港湾、空港、特に都市鉄道、高速鉄道、原子力発電など、状況を転換させる性質を持つ多くの大規模インフラプロジェクトを展開していると述べ、JBICおよび日本企業に対し、これらのプロジェクトへの資金、技術、人材育成、そして参加研究の支援を要請しました。
特に首相によると、ベトナム、クウェート、日本の企業による合弁事業であるニソン石油化学精製複合施設(NSRP)プロジェクトは、現在すべての参加者が利益を上げているものの、ベトナム側は現在損失を抱えています。首相がプロジェクトの再構築を要請したところ、関係者らは組織と人事の再構築、原材料投入の再構築、電力源の再構築、コスト削減などを実施しました。
首相は、これまでのプロジェクト状況改善へのJBICの努力を評価し、感謝の意を表しました。そして、ファム・ミン・チン首相は、JBICに対し、プロジェクトの最大の融資提供者として、また室町 茂総裁個人に対し、引き続き関心を持ち、努力し、関係者との協力を積極的に推進し、特にこのプロジェクトの財務再構築、真摯な感情、信頼、「利益は調和し、リスクは共有する」という精神に基づいた運営効率の向上、そして第2段階の実施に向けて協力を要請しました。
JBIC総裁からの回答
室町 茂総裁は、首相が会談の時間を割いてくれたことに深く感謝し、ベトナムの近年の目覚ましい発展と、その高まる評判、特に最近の政治局による重要決定、とりわけ民間経済の発展と持続可能なエネルギー転換に関する政策を高く評価しました。
JBIC総裁は、ベトナムと日本の良好な関係、そして両国首脳間の政治的決意があれば、JBICはAZECの枠組みにおいて、ベトナムでグリーン転換プロジェクトを実施する日本企業への融資支援を準備しており、実施すると述べました。
JBICと日本企業は、ベトナムでのインフラプロジェクト、特に公共交通指向型都市開発(TOD)モデルによるプロジェクトの実施に積極的に参加する用意があり、また参加を希望しています。特に日本企業は、ベトナムの高速鉄道プロジェクトの実施に豊富な経験を活かして参加することを強く望んでいます。
ニソン石油化学精製複合施設プロジェクトにおける困難の対処について、室町 茂総裁は、JBICは関係者と積極的に協力してきたと述べました。総裁自身も、首相が言及した「利益は調和し、リスクは共有する」ことを確保し、関係者と共に最も適切な解決策を見つけるために全力を尽くすと約束しました。