ハノイハー・テー・アインとグエン・タイン・トアンのベトナム人ペアが、7月12日夜に開催された総合格闘技イベント「MMA LION Championship 24」で、舌戦を繰り広げた中国のジャン・イェンロンとジア・ヤンチンを圧倒的に下しました。
テー・アインは2002年生まれの身長183cm、パートナーのタイン・トアンは2003年生まれの身長170cmです。テー・アインは68kg級のGMA(ベトナム武術大会)現チャンピオンであり、散打(ウーシュー)、キックボクシングから始め、柔術、サンボ、ムエタイも習得しています。一方、タイン・トアンはムエタイとキックボクシングで名を馳せ、5月のLION Championship (LC) 22でチャン・フイ・ハイにMMA初勝利を収めたばかりです。
対する中国のジア・ヤンチン(Jia Yanqin)とジャン・イェンロン(Zhang Yanlong)は2023年からMMAを始め、直近3試合は共に敗戦しています。ヤンチンは2023年9月のエンジェルファイティングチャンピオンシップでベトナム人ファイターのムイ・チョン・ヴィンに判定で敗れています。
白熱の舌戦と試合展開
今回のデュオ戦は、ハノイのタイホー体育館で開催されたLION Championship (LC) 24の目玉とされていました。数日間にわたる両チームの舌戦の後、主催者はこの試合を最後に組み込みました。
中国のMMAにはデュオ戦の形式がないため、ジャンとヤンチンは非常に興味を示していました。特にイェンロンは自信満々な発言で注目を集めました。「対戦相手を調べる習慣はないが、新しい形式なので彼らのキックボクシングの試合を少し見た」とイェンロンは語り、「彼らが私と比べてあまりにもひどいので、見始めてすぐに消した」と挑発しました。
さらに、7月11日朝の計量とフェイスオフ(直接対峙)では、ヤンチンがマスクを着用していましたが、テー・アインがそれを引きはがして地面に投げつけました。これを受けて乱闘が発生し、レフェリーが介入する事態となりました。「若者たちに教訓を与えに来た」とヤンチンは述べ、「私のマスクを取って地面に投げたのだから、彼らはひどい結末を迎えるだろう」と宣言しました。
一方、テー・アインは対戦相手をストレッチャーで退場させると宣言。タイン・トアンは国民の誇りを強調しました。「ベトナムを代表しているのだから、負けるわけにはいかない」と22歳のファイターは語りました。
ベトナムペアの圧倒的な強さ
実際の試合展開は、ベトナムペアの圧倒的な優位性を示しました。両チームはグローブタッチなしで、レフェリーの開始合図とともにすぐに戦いに突入しました。ヤンチンはテー・アインをケージの近くに押し込みました。その間、イェンロンとタイン・トアンの対決が始まりました。
中国のファイターは体格で勝るものの、完全に劣勢でした。しかし、イェンロンも打たれ強さを見せました。1分41秒後、タイン・トアンが左フックを顔面に放ち、対戦相手はマットに倒れました。約2分後、イェンロンは右パンチを顔面に受け、2度目のダウン。そして4分3秒、タイン・トアンが右ハイキックを顔面に放ち、イェンロンは3度目のダウンを喫し、レフェリーが試合を止めました。
一人の対戦相手を倒したタイン・トアンは、テー・アインの援護に駆けつけました。彼はヤンチンの足を捕まえ、チームメイトと共に相手をマットに押さえつけました。ベトナムの2人のファイターは、グラウンド・アンド・パウンドの連続攻撃で総合的な勝利を収めました。
試合後の相互尊重
試合前の舌戦で観客の注目を集めたにもかかわらず、試合後、テー・アインとタイン・トアンはヤンチンと抱擁し、笑顔で握手を交わしました。一方、イェンロンはストレッチャーで会場を後にし、病院で検査を受けるために救急車に乗せられました。
テー・アインは試合前に少しプレッシャーを感じていたことを認めましたが、タイン・トアンの励ましで前に進めたと語りました。一方、タイン・トアンはイェンロンの打たれ強さを称賛しました。「彼の体力にはかなり驚いた。多くの打撃を受けても立ち続け、相手の根性を尊敬する」とタイン・トアンは述べました。
この試合の前には、LION 24でベトナム対カンボジアのデュオ戦が2試合行われました。ドー・グエン・ミン・クエンとファム・フイ・ホアンは、スリー・スランとカーン・ティットを簡単に破りました。一方、レ・ヴァン・ヴーとヴー・ミン・ギアは、ロエム・カカダとソット・セイハを下すのに5分以上を要しました。