ニンビンFCは、2024-2025シーズンのベトナム1部リーグで優勝し、Vリーグ昇格を決定しました。守護神であるダン・バン・ラム選手は、このクラブでの初のタイトル獲得を喜び、次の目標としてVリーグ制覇を掲げています。
栄光と課題
5月17日の第19節で、ニンビンFCはホーチミン・シティ・ユースFCを3-0で下し、3試合を残して優勝を決めました。これはバン・ラム選手にとって、クラブレベルでの初の主要タイトルとなります。これまでに彼は、セレッソ大阪でJリーグカップ2021準優勝、ビンディンFCでVリーグ2023-2024準優勝、2022年ベトナム・カップ準優勝などを経験しており、代表チームでは2018年のAFFカップ（現ASEANカップ）で優勝しています。
バン・ラム選手は今シーズン初めにビンディンFCからニンビンFCへ4年契約で移籍。外国人フィジカルコーチとGKコーチの招聘を希望し、それが実現しました。当初はホーチミン市に近いホーチミン・シティ・ユースFCへの移籍を考えていましたが、チームの主力選手がニンビンFCに移籍したため、生活に一時的な混乱が生じたと言います。
また、1部リーグでのプレーは初めてで、Vリーグと比較して「ピッチの状態が良くない」ことや、「試合時間が早く暑い」ことなど、環境面での困難も経験しました。しかし、17試合でわずか2失点、15試合でクリーンシートを達成し、チームは16勝1分けという圧倒的な成績を収めています。この好成績は、バン・ラム選手やグエン・ホアン・ドゥック選手といった代表経験者やU23代表選手が多数加入したことによるものです。
Vリーグでの挑戦と今後の展望
主将のホアン・ドゥック選手は、優勝後も気を緩めず、残りの3試合、特に6月14日の第21節で2位のビンフックFCとの対戦に集中すると語っています。彼は、選手たちが常に集中して努力したことが成功につながったと強調しました。
グエン・ベト・タン監督も選手のプロ意識を称賛し、どんなに強いチームであっても集中を怠れば勝利を逃すと戒め続けてきた結果だと述べました。
ニンビンFCは、残り3試合を無敗で終えれば、初の無敗優勝を達成します。これは、2011年にサイゴン・スアンタンFCが記録した5節を残しての優勝に次ぐ、リーグ史上2番目の早さでの優勝となります。
シーズンはまだ終わっていませんが、ニンビンFCはすでに2025-2026シーズンのVリーグに向けて準備を開始しています。ホアン・ドゥック選手は、Vリーグで競争力を維持するためには、外国人選手やさらに優秀な国内選手を追加する必要があると述べています。
また、クラブは施設面の改善も必要としています。現在、ニンビンFCには練習場がなく、ホームスタジアムのニンビンスタジアムもピッチ、照明、機能室などの基準を満たしていません。若手育成や財政、組織運営といった他の基準も改善が必要です。
なお、ニンビンFCは、PVF-CAND FC、SLNA FC、ビンディンFCと共に、2025-2026シーズンにベトナムサッカー連盟（VFF）からAFCクラブ大会への出場ライセンスを付与されていない4つのクラブの一つです。ベトナムには、Vリーグ優勝チームとベトナム・カップ2024-2025優勝チームにAFCチャンピオンズリーグ2の出場枠が2つありますが、SLNA FCは準決勝に進出したものの辞退し、他の3チームも来シーズンのAFC大会出場機会はありません。
VFFのライセンス委員会は、5月23日に2025-2026シーズンのVリーグに参加するクラブのライセンス付与について、再度会議を行う予定です。
